- 野菜やきのこが皿にあると箸をつけない。
- 肉は少しでも脂が付いていると口から出す。
- 白ご飯も好きではないので、ノロノロと食べるのが遅くなる。
お子さんの食べ物の好き嫌い、毎日うんざりしていませんか?
忙しいなかで、せっかく作ったごはんやおかずを残されると、
ついイラッとしたり、悲しくなったりしますよね…。
上記3つは、食べ物の好き嫌いが多い子どもの特徴です。
実は、私も子どもの頃はひどい偏食で、上記すべてにあてはまっていました。
ふだん食べ終わることができていた食材は、4〜5種類くらいしか無かったと思います。
家では、ご飯のたびに母親に怒られていました。
学校の給食も食べ終わるのに時間がかかり、昼休みになっても居残りの常習犯…!
そんなスーパー偏食児だった私が2児の母親になり、今は毎日ご飯を用意する側になりました。
中学生と小学生の子どもを育てるなかで工夫している、食事に役立つヒントをお伝えします。
子どもは、大人より味や食感、食事の雰囲気をたくさん感じ取っている
子どもが好き嫌いをする原因は結論から言うと、
感覚が繊細だからということに尽きると思います。
子どもが好き嫌いをする主な原因3つ
- 味覚がとても敏感
- ご飯の時間が楽しくない
- 噛む力&飲み込む力が弱い
味覚がとても敏感
子どもは、大人より味覚が繊細です。
苦味や辛味、酸味などは刺激のように感じ、少しでも刺激があれば「この食材は危険!」と無意識に感じ取ってしまうのです。
身体の防衛反応で仕方ないのですが、食べた瞬間に「これイヤ!!!!」と避けられるのは悲しいですよね…。
ご飯の時間が楽しくない
気をつけているつもりでも、子どもにイライラが伝わってしまい、なんだかグズグズ…。
子どもは楽しいことが大好きなので、さっきまで遊んでいたおもちゃや、観ていたテレビが気になったりして、食事の優先順位を低く感じています。
噛む力&飲み込む力が弱い
大人が思っているよりも、子どもの噛む力と飲み込む力は弱いです。
小さな歯、小さな喉で噛んだり飲んだりすることを頑張っています。
「小さなスコップで大きな山を崩しているようなもの」と考えると、けっこうハードだと思いませんか?
ごはんを作る・食べる時にトライ!子どもの好き嫌いにオススメの方法
嫌いな食材はあえて単品メニューで。子どもの好物と混ぜない
お子さんの嫌いな食材は、1種類だけで完結するメニューにしてみてください。
「お肉が好きで野菜は食べない」
そんなお子さんに、お肉と野菜が一緒になった炒めものや煮物を出していませんか?
お肉だけ食べて、お皿には野菜だけ見事に残ってる…なんて、あるあるですよね。
好き嫌いの激しいお子さんなら、嫌いな食材が一つ混ざっているだけで、そのメニュー全てが嫌いに感じると思います。
私も子どもの頃は嫌いな食材を見つけると、お皿全体からプレッシャーを感じていました。
我が家の子ども達で言えば、下の子は葉っぱ系の野菜(ほうれん草、小松菜、キャベツ等)を残しがち。
ですので、よくそれらの野菜を1種類だけで調理することが多いです。
1つの食材で調理するメリット
- どの調理方法、味付けが特にニガテなのかが分かりやすい
- 残された時、料理する人の精神的ダメージが少ない
- 食べてくれる鉄板レシピが見つかりやすい
特に、色々な種類の食材が入った炒め物は、好き嫌いの多いお子さんには強大な敵に感じる料理なので避けてください。
野菜達がお皿ごと攻めてくるように感じて、口に運んだり噛んだりする意欲が無くなってしまいます。
食べ物は「良いもの」とメリットを感じてもらう
子どもは目の前にあるものだけで瞬間的に判断してしまいます。
お子さんが喜ぶ食べ物のメリットを伝えることは一見遠いようですが、実は大事なポイントです。
ご飯のとき、先まわりして注意してしまいがちですよね。
「野菜を食べないと風邪を引くよ」
「お肉を食べないと力がでないよ」
「たくさんご飯食べないと大きくなれないよ」
好き嫌い常習犯のお子さんには、心配する気持ちが先に出てしまうのはよく分かります…。
ただ、お母さんやお父さんが怖い顔をしていると「残したら怒られるだろうな、嫌だな」と食事することに対して、ネガティブなイメージを持つことに繋がっていることも多いです。
“食べないと〇〇になってしまう”系の発言はグッとがまん。
食べること=大変なこと=楽しくないのイメージがつきやすくなってしまいます。
伝えるなら、食べ物のメリットを一言だけ
例えばこんな風に伝えてみると、ご飯を食べる意欲が起きやすくなります。
おしゃれが好きなお子さんには
「海藻たくさん食べると髪の毛ツヤツヤになるよ」
外遊びが好きなお子さんには
「野菜のビタミンで明日もめいっぱい走れるよ!」
シンプルな一言でも、笑顔で声をかけていると「じゃあがんばってみる〜!」とやる気になってくれます。
口にいれる&噛むことのハードルを下げる
好き嫌いの多い子どもは、食べ物がいつまでもモソモソと口に入っていて、ご飯の時間が長くなりがちです。
特に小さな子どもは、しっかり噛めないし、飲み込むことができません。
大人なら簡単にできる『味の濃いおかずと一緒に白ご飯をモリモリ食べる』というような器用な食べ方はまだ難しいです。
食材のハードルを下げる方法
- 嫌いな食材だけ小さくして存在感を無くす
- 子どもが好む食感にする
- 噛むことだけを目標にしてもらう
嫌いな食材だけ小さくして存在感を無くす
食材を小さくするのでしたら、最初は徹底的に存在を消すくらいに細かくするのが良いと思います。
上記で挙げた通り、少しでも嫌いな食材の存在を感じると、その食事すべてが嫌になるお子さんは多いです。
こちらは我が家でよく使う調理家電のひとつですが、このようなフードプロセッサーで食材のカット、挽く、混ぜるを短時間で済ませるようにしています。
もちろん細かくなれば、安価な手動のチョッパーでも、ミキサーでもOKです!
子どもが好む食感にする
「毎回そんなに細かくするのはめんどくさい」という場合は、子どもが好む食感に仕上げることをお試しください。
つなぎとなる食材を混ぜたり、衣を付けて油で揚げたり、食感を変える方法です。
つなぎ・衣の代表例を書いておきます。
手に入りやすい食材や、お子さんの年齢・アレルギーなどによって調整してみてください。
- 片栗粉
- 米粉
- 小麦粉
- 葛粉
- 白玉粉
- 寒天
- ゼラチン
- アガー
- じゃがいもor長芋のすりおろし
- アーモンド粉
- きなこ
噛むことだけを目標にしてもらう
食感を変えてもダメだったという場合でも、まずは口に入れる、そして3回噛むことだけでも、お子さんといっしょに目標にしてみてほしいです。
嫌いな食べ物を口に入れただけでも、かなり成長しています。
我が家では、食事の時間が長くかかっている時は
「あと10回だけ噛んだら、ごちそうさましちゃおう!」
と声をかけたりしています。
ダラダラと食べ終わるのを待つよりも、気持ちを切り替えて、次のご飯どきに別の食材や調理方法でトライしてみてください。
まとめ:今日のご飯どきから、できることを1つだけ。
食べ物の好き嫌いが多いお子さんへイライラする前に試してほしい食事のヒントをお伝えしました。
今回の記事のまとめです。
- 子どもの好き嫌いはあって仕方ないものと捉える!
- 嫌いな食材1つだけのメニューにあえて挑戦してみる
- 子どもの好きな「サクサク」「もちもち」「ふわふわ」食感でつくってみる
ご飯をつくる人とご飯を食べる子ども達の、笑顔が増えるきっかけになりましたら幸いです。