「やせたいから食事を抜く」
「とりあえずダイエットサプリ買う」
「カロリー控えめな食材だけ食べる」
世の中にはさまざまなダイエット方法がありますよね。
でも効果が早いといわれている習慣は、あとで反動がくることも。
私は以前、食生活を変えたくて1日の食事を2食だけにした経験があります。
結果、すぐ疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりしてしまいました…。
2食分の食事内容は試行錯誤していましたが、食事自体を抜くことが私にはあっていなかったようです。
今はしっかり1日3食を食べて、よく噛むことを重視しています。
噛む習慣がつくようになって、食事内容や食事時間の改善点にも気づくことができました。
噛むことで、食べているものの栄養を効率よくとることができます。
ダイエットにおすすめのよく噛む習慣について深堀りしてみます。
「よく噛む」「よく噛まない」の差を工場に例えてみた
よく噛んで食べている人の体内を工場に例えると、スムーズに生産が進んでいるイメージです。
細かい資材は軽くて、作業員も運ぶのが楽ちん。
するすると流れていきます。
よく噛まない人の体内の工場は、大きな資材や、加工中の製品でいっぱいいっぱい。
工場の作業員は、大きな荷物を運んだり片付けたりして、疲労感たっぷり…。
生産が進まず、滞っているイメージですね。
では、よく噛むと具体的に何がいいか、詳しく解説していきます。
よく噛むと何がいいの?咀嚼のメリット3つ
食事の際によく噛むことは、美容と健康に多くのメリットがあります。
特に注目すべき3つのメリットについて、くわしく解説します。
ダイエットに効果的
よく噛むことはダイエットにとても効果的です。
咀嚼を増やすことで、脳に「満腹シグナル」が送られて満腹感が得られやすくなります。
結果、食事の量を自然と減らせることができます。
満腹シグナルとは、「レプチン」というホルモンが関係していると言われています。
食べてから20~30分後に、レプチンの分泌がスタート。
つまり、ゆっくりとよく噛んで食事することで食べ過ぎをガードします。
また、よく噛むことで唾液の分泌が増え、唾液中の消化酵素が食物を分解しやすくなります。
体内の消化吸収が効率的になり、脂肪の溜め込みを防ぎやすくなります。
食事のペースがゆっくりになり、総カロリー摂取量を減らす助けにもなります。
ふだん自分がとっている1日の総カロリーを知るには、参考程度にダイエットアプリを使用するのもおすすめ。
さらに、咀嚼は顔の筋肉を使うため、フェイスラインがすっきりする効果も期待できます。
顔の筋肉を使うことで、顔全体の引きしめ効果があり、ダイエット効果と合わせて美容面でもメリットがあります。
輪郭がぼやけてくる30代後半、噛むことは取り組めてよかった習慣のひとつ。
日々続けていると、じわじわ効果を感じました。
ダイエットを目指す人にとって、よく噛むことは効果的な方法といえます。
食事のたびに「よく噛むこと」を意識するだけでいいので、お金もかからず簡単にできます。
消化がしやすくなる
よく噛むことは、消化を助ける重要な役割を果たします。
咀嚼によって食べ物が細かく砕かれ、胃や腸での消化がしやすくなります。
消化酵素は食べ物の表面積が大きくなることで効果を発揮して、効率的に栄養素を吸収することができます。
また、唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれており、デンプンを分解する働きがあります。
しっかりと噛むことで唾液が十分に分泌され、口の中での消化が始まるため、胃や腸への負担が軽減されます。
これにより、消化不良や胃もたれの予防にもつながります。
年齢を重ねると、食事の量が多い日や脂っこい食事をした翌日、体の重みを感じますよね…!
食事の内容も大事ですが、日々噛むことを心がけていると内臓の負担の予防にもなります。
よく噛むことはお通じを良くする効果もあります。
食べ物が細かく砕かれることで腸内での移動がスムーズになり、便秘の予防や解消に役立ちます。
お通じが良くなることで、余計なものを溜めこまずに腸内環境を整えることができます。
おなかが張って下腹がぽっこりしている方も、ぜひ噛むことを習慣にしてください。
食事を深く味わえる
よく噛むことは、食事をより豊かに楽しむためのコツでもあります。
食べ物をしっかりと噛むことで、風味や食感を十分に味わうことができます。
食べ物の甘みや旨みが引き出され、食事の満足度が高まります。
また、食べ物の香りを感じるのにも役立ちます。
よく噛むことは五感をフルに活用し、食事の時間を豊かにしてくれます。
食事の時間がゆったりとしたものに変わるというのも、意外な効果。
食事を急がずゆっくりと楽しむことで、リラックス効果やストレス軽減にもつながります。
よく噛むことは単に健康に良いだけでなく、食事そのものを楽しむための大切な習慣です。
噛むことの注意点は?「よく噛む=強く噛む」はNG!
よく噛むことには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
以下に、よく噛むことについて注意したい点を紹介します。
歯やあごへの負担
よく噛むことを意識しはじめたときに注意してほしいのが、歯やあごへの負担です。
特に気をつけたいのは「よく噛む=強く噛む」と捉えてしまうこと。
勢いをつけて力強く噛んでしまうと、食いしばりや歯ぎしりの状態になり、歯やあごへ負担をかけてしまいます。
大切なのは、「かるく噛む」の回数を増やすことです!
口に入れた食材をクッションにして、上の歯と下の歯が直接あたらないようにするのがおすすめ。
強く噛みしめすぎの目安は、ぎしぎし、ガチガチと歯があたるようなら注意が必要です。
よく噛むことはあごの筋肉を強化するのに役立ちますが、すでに顎関節症を患っている人や、もともとあごの筋肉が弱い人は痛みや不快感を感じることがあります。
いきなり固い食べ物を長時間、噛み続けるのは避けましょう。
新しい習慣を始めるときは「自分が気づかないくらい」徐々に変化させていくのがおすすめです!
そうすると体にも負担なく、スムーズに慣れてきます。
歯や顎への負担対策ポイント3つ
- 「かるく噛む」回数を増やす
- 今の咀嚼回数から少しずつ増やしてみる
- いきなり固い食べ物にチャレンジしない
食事の時間が長くなる
よく噛むを心がけるようになると、食べ物をよく噛んでいなかった頃に比べて食事の時間が長くなります。
朝の忙しい時間帯や昼休みの短い時間では、ゆっくり噛んで食べることが難しいことがありますよね。
食事に時間がかかるからと、焦って食事を済ませようとしてストレスを感じるのは本末転倒。
食べ終わるのが遅くなるのが心配な方は、まずは時間のあるタイミングの食事から、よく噛むことを始めてみてください。
たとえば朝は子どもの世話でバタバタして忙しいなら、お昼ごはんのタイミングから始めてみるなど。
そもそも「食事に時間をかけられない今の生活って…?」と振り返ってみるのもいい方法です。
私は子ども達の食事を優先して、自分の食事時間はおろそかになっていた事実に気づきました。
食事の時間に無口になりがち
食べ物をよく噛むために口をしっかり動かしていると、自然と食事の時間に無口になりがちです。
家族や友人との食事で、自分は黙々と食べていると感じるかもしれません。
にぎやかで楽しい食事を大切にしている家庭や、食事中のおしゃべりを楽しみにしている人には、この点がデメリットと感じられることがあります。
でも、家族や友人の話をゆったりと聞くのも楽しい時間です。
お子さんがいる方は、園や学校であったできごとの聞き役になるのも良し。
時には、みんなで静かに料理の味をじっくり楽しむのもいいですね。
「よく噛む」って何回噛むの?咀嚼回数の目安は30回以上
「よく噛む」とは、具体的に何回くらい噛むことを指すのでしょうか。
多くの健康専門家や栄養士は、1口あたり30回以上噛むことを推奨しています。
目安の咀嚼回数について解説していきます。
なぜ30回以上が目安なのか
咀嚼回数の目安の30回には、いくつかの理由があります。
30回以上噛むことのおすすめ理由
- 食べ物がこまかく砕かれて消化吸収がスムーズに
- 唾液の分泌が増えて消化が促進される
- 唾液には抗菌作用もあり、口内の健康も保つ
まず、よく噛むことで食べ物がこまかく砕かれ、消化器官に負担をかけずに消化吸収がスムーズに行われるようになります。
特に食物繊維が豊富な食品は、しっかり噛むことで消化が促進されます。
ふだん私は、玄米を1日のうち1食以上は食べています。
玄米も食物繊維が多いため、よく噛まずに食べていた頃はお腹が張っていました…。
噛むことを心がけている今は、お腹が張ることはありません。
よく噛むことで唾液の分泌が増えて、唾液の消化酵素が食べ物の分解を助けやすくなります。
さらに唾液には抗菌作用もあり、口内の健康を保つ役割もあります。
実際に30回以上噛むための工夫
そんなに噛むのはしんどいよ…
食事に時間がかかりそう
30回以上噛むことは最初は難しいと感じるかもしれません。
でも、工夫をすることで習慣化するのは可能です。
30回以上噛むためのチャレンジ
- 一口の量を減らす
- 食事の時間を長くする
- 噛みごたえのある食材を増やす
1.一口の量を減らす
意識的に、一口で食べる量を少なくすることがポイントです。
少量を口に含むことで、自然と多く噛むことができます。
一口で食べる量が多いと、早く飲み込みたくなり、結果的によく噛まないことにつながってしまいます。
2.食事の時間を長くする
食事のスピードをゆっくりにすることで、自然と咀嚼回数が増えます。
食事のときは、テレビやスマートフォンなどの画面を見ずに、食べ物に集中することも効果的です。
噛む回数を、数字で30回までカウントするのは大変ですよね。
「ありがとうございます(10文字)」を3回唱えながら噛むと、意外とスムーズに食べ進められます。
3.噛みごたえのある食材を増やす
食べ物の種類によっては、噛む回数を増やすのが難しい場合もあります。
たとえば、柔らかい食べ物やスープなどは口のなかを滑っていき、噛む回数が少なくなりがちです。
できるだけ意識的に噛むことを心がけつつ、さらに、固い食材や噛みごたえのある食材をメニューに取り入れると良いですね。
食材がペーストになるまで噛めたら、よく噛むことが実行できている証です!
特によく噛んで食べてほしい!噛まないと後悔する食材5選
食材のなかには特によく噛んで食べたいものがあります。
体質、季節、年齢などさまざまな要因も影響しますが、一般的に注意したい食材を挙げました。
玄米
玄米は白米より栄養があると言われています。
でも、あまり噛まずに食べてしまうと、皮の固さや豊富な食物繊維のために、消化不良が起こりがちです。
玄米を長年食べ続けても、問題なく健やかにすごしているという方は、噛む習慣が当たり前のように身についています。
これから玄米を食べてみたいという方は、よく噛むことを意識してみてください。
お肉 ※特にブロック(かたまり)
お肉はよく噛んでほしい食材のひとつです。
特にブロック(かたまり)のお肉をしっかりと噛むことで、お肉の繊維がほぐれ、消化がスムーズになります。
お肉を食べた次の日に「なんか胃が重たい…」となりがちな人は注意!
よく噛むことで唾液の分泌が促進され、消化酵素が働きやすくなるため、胃腸の負担を軽減します。
お肉を食べられるようになった年齢のお子さんが、ブロックのお肉デビューするときは「ゆっくり何回も噛もう!」と声をかけてあげてください。
いっしょに回数をカウントしてみるのもいいですね。
咀嚼の練習にもなり、あごの発達にも良い影響があります。
ナッツ
ナッツはダイエット中のおやつや間食にぴったりですが、つい食べすぎてしまうことも。
ナッツをよく噛むことで満腹感が得られ、食べすぎを防ぐこともできます。
また、そのままでは固くて消化しにくいので、よく噛んで食べるようにしましょう。
ごまはよく噛んでも粒が小さいため、潰されず飲み込んでしまうことがほとんど。
消化されることなく、そのまま体外へ排出されてしまいます。
自宅で料理する場合は、あらかじめ細かく粉砕されている「すりごま」を使うのがおすすめです。
根菜
根菜は繊維質が豊富で、固さがあるため、しっかりと噛むことが必要です。
繊維を細かくして、消化吸収しやすくできるようになります。
さらに、根菜にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、よく噛むことでこれらの栄養素が体内に効率よく吸収されます。
特に、にんじん、大根、ごぼうなどは、噛むことで甘みや風味が引き立ち、じんわり沁みるおいしさを感じられます。
我が家の子どもたちは、野菜スティックが大好きです。
生の大根やにんじんを、味噌とマヨネーズをまぜたソースにつけて、ボリボリとよく噛んで食べています。
カンタンにできる、子どものおやつ・大人のおつまみとしてもおすすめです!
ファーストフード・インスタント食品
「ファーストフードやインスタントは、噛まなくても食べられるよ!」と思いましたか?
子どもでも食べやすい柔らかいメニューが多いから、意外ですよね。
あまり噛まなくても食べられるものは、早食い・過食につながりやすいです。
特に早食いは、結果的におなかがすぐ空いてしまいます。
食後しばらくして、イライラや、そわそわ落ち着かない気分になる原因のひとつです。
「忙しくて、食事はファーストフードやインスタントの出番が多め…」という方も、まずは食事をよく噛んで食べることから始めてみてください。
まとめ|よく噛むこと、今すぐ試して損はない。
今回は、よく噛むことについてメリットや注意点をご紹介しました。
記事の内容をまとめるとこんな感じです。
- よく噛むことはダイエットにも効果的
- 強く噛みしめすぎには注意!
- よく噛むことをつづけると食事自体も変わっていく
よく噛むことは、お金もかからず簡単に始められます。
ぜひ習慣に取り入れてみてくださいね!